火炎越し/火炎/ガラス越し/ガラス表面の温度計測

できなかったことができるシリーズ/特殊用途向けサーモグラフィカメラ

はじめに

特定波長計測で、「火炎越し」「火炎」「ガラス越し」「ガラス表面」の温度計測ができる赤外線サーモグラフィカメラをご紹介します。
例えば、皆さんの製造現場で「稼働中の炉内温度を計測したいが、規定で石英窓材を外せない」「ガラス越し計測モデルを使っても炎が映り込む」といったお困り事はございませんか。

これまで汎用サーモグラフィでは計測できなかった温度を鮮明に画像化できます。
「これができるなら、もしかしたらココに活用できるかも・・・」とお客様が抱える課題のヒントになれば幸いです。

事例紹介

①石英ガラス越し→火炎越し 温度計測 <炎の向こう側が視えるR300BP-TF>
火炎や燃焼時のガスに吸収されにくい3.8μmの波長に感度をもたせています。
燃焼炉内の壁面・パイプなどの劣化状況やバーナーの動作状況、クリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)などの付着状況を火炎越しでも鮮明に撮影することが可能です。


(左)可視(目視)画像。炎でバーナーの燃焼状態はわかりません
(右)R300BP-TFで撮影した熱画像。火炎の影響なく、壁面やバーナーの確認ができます


②石英ガラス越し→火炎 温度計測 <目に見えない炎も検知するR300BP-OF>
火炎の放射エネルギーが高い4.25~4.75μmの波長に感度をもたせています。
燃焼試験や金属加工時の火炎温度を、非接触で炎の構造を壊さずに、安全かつ正確に計測できます。


(左)一般的なサーモカメラ熱画像。火炎温度が実際より低く表示されます
(右)R300BP-OFで撮影した熱画像。火炎温度が正確に測定できます


③ガラス越し 温度計測 <電球内の温度がはかれるR300BP-TG>
石英ガラスやホウケイ酸ガラスを透過する3.46μmの波長に感度をもたせています。
真空チャンバー内の試験体の温度や、電球内の温度を外側から測定することができます。


(左)一般的なサーモカメラ熱画像。ガラスを透過せず電球表面が表示されます
(右)R300BP-TGで撮影した熱画像。電球の中の温度が測定できます


④ガラス表面 温度計測 <ガラス成形時の温度管理ができるR300BP-OG>
ガラスの放射率の高い5.2~7.4μmの波長に感度をもたせています。
溶融ガラスや成型・徐冷時のガラスの温度を安全かつ正確に計測できます。


(左)ガラス成形後の冷却工程の様子
(右)R300BP-OGで撮影した熱画像

 

この記事に関する参考資料

カタログ:特定波長モデルInfRec R300BP series _No.430-065-J.PDF

 

 

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