低放射率金属「アルミニウム」の表面温度分布計測

できなかったことができるシリーズ/困難だった低放射率金属の表面温度測定を解決

はじめに

赤外線サーモグラフィでアルミニウムなどの低放射率物体を測定する場合、測定対象の表面に周囲環境(周囲の物体)から放射された赤外線が映り込んでしまい、外乱となって誤った温度分布を表示します。
皆さんの研究・開発・製造現場で「アルミニウムの温度分布を計測したいが精度がでない」「熱電対を使用しているが均一に加熱できているか分からない」といったお困り事はございませんか。

 “反射の影響を除去し、高精度に金属の表面温度分布を計測する“金属測定用の赤外線サーモグラフィカメラをご紹介します。
「これができるなら、もしかしたらココに活用できるかも・・・」とお客様が抱える課題のヒントになれば幸いです。

事例紹介

<アルミの温間プレス時の温度管理>
鉄や銅に比べ比重が小さいアルミは各産業から注目されていますが、その特性により加熱炉から温間プレス機に運ばれる過程で急激に温度が下がります。
プレス直前のアルミの温度分布を正確に測ることにより、歩留まり低下の迅速な原因究明と対策が可能になります。また、成型・加工直後の温度を管理することによって、亀裂や反りの原因となる温度ムラを検出し、高い品質管理を実現します。

580℃(熱電対で計測)に加熱したアルミニウムを
(左の画像)汎用サーモグラフィで測定すると、周囲環境の影響をうけ324.2℃と表示されます。
(右の画像)金属測定用TS300SWで測定すると、反射の影響が除去され580.2℃と正しく表示されます

金型による成型時の温度管理
ダイカスト用金型の場合、離型剤や金型表面の酸化によって放射率が上がり、一般的な赤外線サーモグラフィでも一定精度の温度計測が可能ですが、金型全体の正確な温度分布を測定することは困難です。
また、樹脂や複合材料用の金型は放射率が低く、一般的なサーモカメラでは計測出来ないという問題がありました。
金型、あるいは金属成形品の温度分布を高精度に計測することで、歩留まり・品質の向上、さらには金型の破損防止に貢献します。
約150℃以上(レンズF値#1.4の場合)の金型であれば、高精度な温度計測が可能となります。さらに、高速シャッターにより、サイクルが早い小型の樹脂用金型もブレずに撮影することができます。

この記事に関する参考資料

カタログ:金属温度計測用インラインモデルTS300SW _No.430-016-J.PDF

 

 

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