見え方事例あれこれ_DSX1000

「あたりづけ」から「詳細解析」までこれ1台

はじめに

デジタルマイクロスコープDSX1000の第一印象は、ガンタンク(ガンダムに登場)。社内の若手に通じず、それよりもエグザイルのChoo Choo Trainでしょうと逆提案を受けてからは、エグザイル型とひそかに呼んでいます。
その使いやすさから、品質管理・保証部門や、製品開発部門で製品の品質や欠陥・不具合観察に活用されています。すべての倍率で測定精度を保証でき、正確さと繰り返し性をダブルで保証します。1台で光学顕微鏡のような高解像度と豊富な観察方法で、2D・3D画像を観察・撮影・測定でき、「あたりづけ」から「詳細解析」まで対応します。お客様が抱える課題解決のヒントになれば幸いです。

見え方事例あれこれ

被写体をステージに置いた状態で側面からの観察ができます

ステージも回転します

繊維(綿布)に絡まった異物観察
繊維が織り込まれ布になる時に、異物が混入し一緒に織り込まれることがあります。サンプルの表面の陰影を忠実に表現し鮮明に観察できるHDR機能と3Dや拡張焦点機能を合わせて使えば、凹凸の大きな繊維束の織り込みの様子や異物と繊維の絡まり具合などが全体に焦点の合った、奥行き感のあるクリアな画像で取得できます。

3D観察

照明方法による見え方の違い:左から、BF明視野、DF暗視野、BF+DFミックス、PO偏光

ハレーション除去の効果:(左)ハレーション除去なし、(右)ハレーション除去

ラジエターフィンのロウ付け接合部の検査例
ラジエターと呼ばれる放熱器は、放熱効率を上げるためにパイプにはフィンと呼ばれる放熱板がロウ付けという方法で接合されています。マルチプレビュー機能を使うと、誰でも簡単にラジエターフィンのロウ付け溶接状態がクリアに見える観察画像(方法)を選ぶことができます。

マルチプレビュー機能は、絞りや照明などの調整を自動で最適化する機能で、全ての種類のレンズで、最大6種類【BF明視野】 【偏射】 【DF暗視野】 【BF+DFミックス】 【PO偏光】 【DIC微分干渉】の観察画像(方法)を表示します。だれが選んでも同じ条件で観察することが可能です。

(左)明視野画像より(右)明視野コントラストアップ画像はロウ付けの状態がより鮮明に観察できます。

 

コンソールボックスについている観察方法切り替えボタンを押すだけで異なる観察方法を簡単に切り替えることができます。DIC-微分干渉観察方法による画像(700×)に切り替えると、ロウの浸透具合がより強いコントラストで表現されています。

ボンディングワイヤの外観検査例
半導体製造のワイヤボンディング工程は金、アルミ、銅等の材質の細線を使って、ICに形成された電極とリードフレーム等の部品の電極とを電気的に接続する工程です。ボンディングされたワイヤは直線ではなく、ある高さをもったループ形状になっています。
高さがあるため、不良品の詳細な解析をするには、あたり付けの低倍率観察から詳細解析の高倍率観察へのスムーズなレンズ切り替えと、それぞれに高い解像力と焦点深度が必要です。

DSX1000のレンズ交換は、アタッチメントを差し替えるだけなので、観察位置やフォーカス位置を探し直す必要がなく、詳細な解析が行えます。また、焦点深度upボタンをワンプッシュするだけで瞬時に焦点深度が深くなります。

低倍率観察画像(150x):パッドをボンディングで接合した全体の様子がクリアな画像で観察できます。

高倍率観察画像(560x):パッドに金線がボンディングされた状態が詳細に観察できます。

3次元計測:3D画像の任意の位置のプロファイルが表示され、3次元計測がおこなえます。DSX1000は、すべての倍率で測定精度を保証できます。正確さと繰り返し性のダブル保証です。

積層セラミックコンデンサの内部レイヤー厚さ計測例
コンデンサは絶縁体(=誘導体)をはさんで2枚の金属板(=電極)が向かい合っている構造をしています。積層セラミックコンデンサ(MCLL)は、電極と誘電体の積層数を多くしたもので、モバイル端末から自動車まで幅広い分野の製品に多数利用されています。

積層セラミックコンデンサの内部イメージ図

MCLL内部の電極や誘電体の厚みを測定する場合、まず低倍率で測定の必要がありそうな部分の「あたり付け」を行います(総合倍率700X)。

測定エリアが決まったら、倍率を測定に適した倍率まで拡大します(総合倍率2500X)。対物レンズの交換は、対物レンズを前後にスライドさせるだけで簡単にできるので、測定箇所がずれてしまうことがありません。
電極と誘電体の界面がはっきりと写っています。

マルチプレビュー機能を使って、提示された観察画像(方法)から電極と誘電体の積層状態が一番観察しやすい画像を選択します。観察方法を考える時間が不要となり、どなたでも測定、解析をすぐに行うことができます。
今回の積層セラミックコンデンサ断面サンプルは偏光観察が一番クリアな画像でした。

電極層厚さ測定:電極と誘電体は色調のコントラストに差があります。その差をプロファイルで表示して、電極と誘電体の層の厚さを測定することができ、さらに任意の数と位置を測定できます。DSX1000は、すべての倍率で測定精度を保証できます。正確さと繰り返し性のダブル保証です。

出典:エビデントHP、カタログ

 

この記事に関する参考資料

カタログ:デジタルマイクロスコープDSX1000_N8601455-042022.PDF

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