赤外ラマン顕微鏡_1台で2役

赤外顕微鏡とラマン顕微鏡が一体化

はじめに

赤外顕微鏡内部にラマンユニットを組み込むことによって、顕微赤外分析だけでは得られなかった無機物の情報が得られるだけでなく、より微小部を感度よく測定することが可能となります。
「異物の分析がうまくできない」「マイクロプラスチックの分析を始めたい」そんなお客様の課題をシンプルなシステムで効率的に解決します。

機能紹介

■サンプルを動かすことなくFTIR/Ramanの両測定が可能
サンプルを移動させることなく、極微小部の同一箇所における観察、赤外およびラマン測定が可能です。同一箇所の有機物情報と無機物情報が得られ、定性精度が大幅に向上します。また、観察用の広視野カメラ、赤外測定用の顕微カメラ、ラマン測定用の対物レンズは位置情報を共有しており、広視野カメラでは最大10×13 mm、顕微カメラでは最小30×40 μm、50倍対物レンズでは最小15×20 μm、100倍対物レンズでは最小7.5×10 μmという非常に狭い視野まで観察が可能です。

■1つのソフトウェアでFTIR/Ramanの両測定および解析が可能
クリック1つで赤外測定とラマン測定を簡単に切り替えられます。また、赤外スペクトルとラマンスペクトルを重ね合わせて表示でき、様々な解析も行えます。

■1台で有機/無機の情報取得が可能
赤外顕微鏡は有機物分析が可能ですが、多くの無機物の情報を取得することが困難です。一方、ラマン顕微鏡では有機物に加え、酸化チタンやカーボンなど無機物の情報を得ることが可能です。 AIRsight 1台で有機・無機混合物の解析を可能にします。また、通常必要となる2台分の設置スペースが1台分のみとなるため、省スペース化にも貢献します。

■ラマン測定に関するAIRsightの特長
共焦点光学系の採用により、良好な空間分解能でラマン測定が可能です。532 nm、785 nmレーザーを標準搭載しています(レーザー特性:532 nmは散乱しやすく、ピーク強度が得やすい 。785 nmは蛍光の影響を受けにくく、蛍光サンプルに強い)。測定対象の大きさに合わせて、50倍対物レンズ、100倍対物レンズを使い分けできます(対物レンズは同時搭載可)。赤外測定/ラマン測定のレンズ切り替え時にXYZ補正することで、同一箇所の赤外およびラマン測定が可能です。

■アプリケーション
医薬品錠剤の表面に付着した異物(模擬試料)の分析事例です。同一箇所の赤外およびラマン測定により定性分析の精度を高め、異物の発生原因を特定することができます。

異物の顕微画像

正常部と異物付着部の赤外スペクトル、正常部はマンニトールと同定

正常部と異物付着部のラマンスペクトル、異物は酸化鉄と同定

出典:島津製作所HP

この記事に関する参考資料

カタログ:赤外ラマン顕微鏡AIRsight
アプリケーションニュース:赤外ラマン顕微鏡AIRsightを用いた医薬品(錠剤)の異物分析

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