液体・固体の水分、色濃度の計測

生産工程の水分管理は、無駄ムラの低減と省エネへの一歩

はじめに

食料生産、工業生産では大量の市水、井戸水、工業用水と同時に電力エネルギーが消費・排出されます。
皆さんの生産工程や設備でも、数%~何百t(kw)など、さまざまなレベルで 3R(Reduce、Reuse、Recycle)が検討され、最適化への努力をされているのではないでしょうか。

今回は、「高付加価値開発」「無駄ムラの低減」「省エネ」の視点から、古くて新しい技術「赤外線を使った多成分計測」をご紹介します。
赤外線多成分計は、非接触で固体・液体の水分量とほかの成分を同時に連続計測できる計測器です。
連続計測データにもとづいた最適条件の設定とムダのないインラインの制御ができます。

近年、可視光ハイブリッド形多成分計の登場で、赤外領域だけでなく可視光領域を使用し、水分、厚み、塗工量、溶剤分、有機分、色差、透明度、白色度などを同時に測定できるようになりました。進化した赤外線多成分計の事例をご紹介します。
「これができるなら、もしかしたらココに活用できるかも・・・」とお客様が抱える課題のヒントになれば幸いです。

事例紹介

① 半導体剥離液の水分・濁度(透過度と色濃度)測定
POINT
可視光ハイブリッド形の成分計は、1台のセンサで「可視透過度・色濃度と赤外多成分測定」ができます。

使用工程
プリント基板や半導体ウェハへのパターンエッチング後に不要な保護膜(レジスト)を除去する工程で、剥離液の性能を維持するために水分量と濁度(色濃度:R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色、透過度)を透過形ファイバで測定します。
測定効果
インラインにてリアルタイムで計測することで、最適条件での加水制御、剥離液回収再利用の判定、発火防止対策ができ、品質向上、適正な水管理、省エネ、ランニングコスト低減につながります。

 

② 基材フィルム色濃度(透明度)・厚さ測定
POINT
可視光ハイブリッド形の成分計は、1台のセンサで「可視透過度・色濃度と赤外多成分測定」ができます。

使用工程
基材フイルムは、色濃度(透明度)が品質を左右します。ミラー型多成分計で可視領域にて色濃度(R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色を0~255段階にて出力)を、近赤外線にてフィルム厚さを同時に測定します。
測定効果
インラインにてリアルタイムで計測することで、最適条件で色濃度管理とフイルムの厚さ測定ができ品質向上、省エネにつながります。

多成分計特長キーワード
(1) 最大10波長を使用し、同時に4成分までを1台で計測可能
可視~赤外域を使用し、厚み、塗工量、溶剤分、水分、有機分、色差・透明度・白色度などの計測を1台で同時測定可能
(2) 2波長・3波長比率演算、重回帰演算などマルチ演算方式
(3) 高速(28msec)、高感度測定
(4) 自己診断機能にてユーザメンテナンスが可能
(5) 高温対応(50℃)、防爆対応可能

この記事に関する参考資料

カタログ:赤外線多成分計(水分・有機分・フイルム厚さ・塗工厚さ・色濃度)_No.CP-88-12.PDF

 

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