φ7mm微少スポットでの水分、厚み、塗工量計測

生産工程の水分管理は、無駄ムラの低減と省エネへの一歩

はじめに

食料生産、工業生産では大量の市水、井戸水、工業用水と同時に電力エネルギーが消費・排出されます。
皆さんの生産工程や設備でも、数%~何百t(kw)など、さまざまなレベルで 3R(Reduce、Reuse、Recycle)が検討され、最適化への努力をされているのではないでしょうか。

今回は、「高付加価値開発」「無駄ムラの低減」「省エネ」の視点から、古くて新しい技術「赤外線を使った多成分計測」をご紹介します。
赤外線多成分計は、非接触で固体・液体の水分量とほかの成分を同時に連続計測できる計測器です。連続計測データにもとづいた最適条件の設定とムダのないインラインの制御ができます。

近年、高感度反射形の光ファイバの開発とファイバ先端に小径用レンズの取り付けでφ7mm微少スポット(小さな対象物・入り組んだ狭い場所)の水分、厚み、塗工量などを高精度で測定できるようになりました。進化した赤外線多成分計の事例をご紹介します。
「これができるなら、もしかしたらココに活用できるかも・・・」とお客様が抱える課題のヒントになれば幸いです。

事例紹介

① 繊維束の水分・塗油付着量測定
POINT
ファイバ先端に小径用レンズを取付けることで、「φ7mm微小スポット」の測定ができます。
アクリル、ナイロン、レーヨンなどの糸、狭帯状のリボンの水分や塗油量、インク量など、最大4成分まで同時に測定可能です。

使用工程
湿式紡糸が集束、ドライヤ乾燥とオイルコーティングする工程で、コーティング直後を、耐圧防爆形の小径用レンズを取付けた高感度反射形光ファイバで、繊維束の水分・塗油付着量を同時計測します。
測定効果
インラインにてリアルタイムで計測することで、乾燥温度、オイル塗油量、ラインスピードが最適条件で制御でき品質向上、適正な水管理、省エネにつながります。

 

② オフセット印刷機のインク水分・塗工量測定
POINT
入り組んだ構造になっている機械内部など、「狭い」スペースで高感度測定ができます。

使用工程
印刷機内に高感度反射形光ファイバを挿入し、インクの水分量・塗工量を測定します。
測定効果
インラインにてリアルタイムで計測することで、インクの水分量・塗工量、ラインスピードが最適条件で制御でき、印刷のかすれ・滲みなどの不良発生を予防します。品質向上、適正な水管理、省エネにつながります。

多成分計特長キーワード
(1) 最大10波長を使用し、同時に4成分までを1台で計測可能
可視~赤外域を使用し、厚み、塗工量、溶剤分、水分、有機分、色差・透明度・白色度などの計測を1台で同時測定可能
(2) 2波長・3波長比率演算、重回帰演算などマルチ演算方式
(3) 高速(28msec)、高感度測定
(4) 自己診断機能にてユーザメンテナンスが可能
(5) 高温対応(50℃)、防爆対応可能

この記事に関する参考資料

カタログ:赤外線多成分計(水分・有機分・フイルム厚さ・塗工厚さ・色濃度)_No.CP-88-12.PDF

 

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