取扱製品 Product

高速バイポーラ電源 HSAシリーズ

コンデンサ・コイルなどの電子部品をはじめ、さまざまなデバイスの試験で、他の電源・増幅器では駆動できないDUTも安定駆動。 医療・バイオなどの先端研究分野でも、広く使われています。

メーカー

エヌエフ回路設計ブロック/NF

特長

  • 4象限出力
    HSAシリーズの動作領域は、第一象限(電圧+/電流+)・第三象限(電圧-/電流-)だけでは無く第二(電圧+/電流-)、第四象限(電圧-/電流+)に渡ります。出力電圧のプラス/マイナスに関係なく、電流の供給(ソース)・吸収(シンク)が可能です。
  • 容量性・誘導性負荷でも安定した出力
    コンデンサやコイルを含む負荷に交流電圧を印加すると、負荷側から電流が逆流します。この場合、一般的な電源や増幅器では駆動できないことがあります。 HSAシリーズ は、4象限出力により電圧と電流の向きが反対になるシンク(吸収)でも動作するので、圧電素子・ソレノイドなどの容量性・誘導性負荷も、安定して駆動できます。
  • 高速応答、DC ~ 1 MHzの広帯域
    高速・高スルーレートにより、高速の繰り返し現象や過渡現象も、良好なステップレスポンスで忠実に再現します。 直流も出力可能なので、正負非対称な信号や直流に交流を重畳する用途でも、安定した出力を提供します。
  • 低出力インピーダンス
    容量性・誘導性負荷は、電源の出力インピーダンスの影響で立ち上がりが遅くなります。HSAシリーズは、全帯域にわたって低い出力インピーダンスを保ち、負荷の接続によって起こる電圧降下を最小限に抑えて、その高速性能を発揮します。
  • 利得設定
    固定利得 ×1、×10、×20、×50、可変利得×1 ~ ×3(微調整器で調整)の組み合わせで、連続的に設定できます。 ×1では、信号発生器で設定した電圧レベルをそのまま出力可能です。
  • 出力極性切換え
    フロントパネルの[INVT] スイッチを押して、同相アンプ/逆相アンプの切換えが可能です。HSAシリーズを2台接続して逆相出力を使うと、出力電圧と電力を2倍にすることができます(平衡出力*)。
    * 平衡出力はBTL(Balanced Transformer Less)とも呼ばれます
  • 出力DCバイアス設定
    10回転ポテンショメータにより、出力に±75V の直流(バイアス)電圧を重畳可能です。
  • 出力DCオフセット調整
    出力に含まれるDCオフセットをゼロに調整可能です。
  • 保護機能
    過負荷、過電圧、内部電源異常、内部温度異常、冷却ファン異常に対する保護機能を装備しています。異常検出時には出力オフ、またはオーバロードLEDやエラーLEDが点灯し、一定時間継続すると、電源オフ以外の操作ができなくなります(ディセーブルモード)。
  • その他の機能
    外部制御入出力、出力電圧モニタ、出力オン/オフ制御、電源投入時設定、入力 A・B 2 系統(切換え、加算)、 入力インピーダンス 50Ω/10kΩ 切換え

<アプリケーション>

  • コンデンサ(MLCC)
    モバイル機器、車載機器や産業機器向けに急速に需要が増加している積層セラミックコンデンサ(MLCC)は、 さらなる小型化・大容量化が進んでいます。 MLCC は周波数や電圧によって静電容量が変化するので、周波数をスイープしながら電圧を印加し、 インピーダンスアナライザなどを用いて、特性を評価します。
  • モータ(超音波モータ)
    信号発生器と組み合わせて、周波数・位相・振幅などを変化させながら駆動試験を行えます。高速・広帯域で、 安定した電圧出力により、最適な駆動条件を検証できます。最近は、100kHz 以上で駆動する超音波モータもあります。
  • 磁性材料(圧粉磁心・フェライト)
    磁性材料は、レアアースレスに向けた新材料の開発が活発化しています。中でも、圧粉磁心は、1kHz 以上の 高周波帯域で磁気特性が良好で、粉末を加工成形して作製するため、形状自由度に優れ、生産歩留まりが高い などの特長があり、幅広い部品への適用が検討されています。 HSAシリーズは、B-H カーブ測定などに使用します。
  • 圧電素子(アクチュエータ・トランス)
    圧電素子の駆動では、HSAシリーズの低出力インピーダンスにより、静電容量の大きい大型の圧電素子でも 良好なステップレスポンスが得られます。インピーダンスアナライザを用いて、実駆動状態での共振特性測定に対応します。
  • スマホ・タッチパネル(ノイズによる誤動作の検証)
    コモンモードノイズやAC アダプタからのノイズにより、メモリ等に誤動作が起こることが問題となっています。また、工場などで広く使用されている静電容量式タッチパネルは、微弱な静電容量の変化を信号として使用しますが、周辺のノイズによって誤動作する場合があります。 これらの誤動作の検証では、直流に交流を重畳する試験を行います。HSAシリーズなら、1 MHzまでの広帯域で高調波を重畳可能です。
  • 車載電装品(EV用電源の高電圧化)
    世界的にEVシフトが進み、EV開発はますます活発化しています。車載電源は高電圧化が進み、車載部品・車載電装品も高電圧における電源変動が要求されています。 高調波の電圧変動試験を行うため高速バイポーラ電源が求められるケースがあります。
  • 誘電泳動(細胞分離、微生物やウイルスの検出)
    誘電泳動は、不均一電場における粒子と周辺媒質の誘電率・電場勾配により、粒子が泳動する現象で、 生体分子計測などで応用されています。1MHz 付近で交流電圧を印加する事例が多く見られます。 誘電泳動とインピーダンス計測を組み合わせた細菌検出法なども研究されています。
  • その他
    – インピーダンスアナライザと組み合わせて、部品や材料の特性を詳細に解析 > インピーダンスアナライザ ZA57630
    – 信号発生器と組み合わせて、多様な試験条件を提供 > マルチファンクションジェネレータ WF1967/WF1968

仕様

名称 高速バイポーラ電源 HSAシリーズ
形式 HSA42011 HSA42012 HSA42014
入力
入力方式 A入力、B入力、またはA入力とB入力との加算
(2入力ともオン時、ただし最大入力電圧は2入力同士±10V以内)
入力インピーダンス 50Ω±5%、10kΩ±5%の切換え
(不平衡、AとBの2つの入力を一括切換え)
最大入力電圧 ±10V
非破潰最大入力電圧 ±11V
入力端子 BNCコネクタ A入力:フロントパネル、B入力:リアパネル
Lo側は筐体に接続されています。
出力
動作モード 定電圧(CV)
出力極性 同相または逆相(フロントパネル面スイッチにて切換え)
利得設定機能 固定:×1、×10、×20、×50 / 可変:×1(CAL)~×3連続
設定利得は(固定)×(可変)となります
利得誤差 ±5% (固定利得:×1、×10、×20、×50 可変利得:CAL、400Hzにて)
最大出力電圧 抵抗負荷 50Ω
53Vrms(40Hz~1MHz)
45Vrms(20Hz~ 40Hz)
抵抗負荷 25Ω
53Vrms(40Hz~1MHz)
45Vrms(20Hz~ 40Hz)
抵抗負荷 12.5Ω
53Vrms(40Hz~1MHz)
45Vrms(20Hz~ 40Hz)
抵抗負荷 75Ω
±75V(DC~1MHz)
抵抗負荷 37.5Ω
±75V(DC~1MHz)
抵抗負荷 18.8Ω
±75V(DC~1MHz)
最大出力
電流
AC 1.06Arms、3Ap-p
(40Hz~1MHz)
2.12Arms、6Ap-p
(40Hz~1MHz)
4.24Arms、12Ap-p
(40Hz~1MHz)
DC ±1A ±2A ±4A
小振幅
周波数特性
DC~100kHz -1dB~+1dB
(出力振幅10Vrms、400Hz基準)
100kHz~1MHz -3dB~+1dB
(出力振幅10Vrms、400Hz基準)
スルーレート 457V/μs以上
出力DC
オフセット
調整範囲 ±0.5V以上(入力端子短絡)
温度ドリフト ±(1+0.1×G*)mV/℃以内(typ.)*Gは利得(DCバイアスオフ)
出力DCバイアス ±75V以上 フロントパネルのスイッチによりオン/オフ可能
高調波ひずみ率 0.1%以下(40Hz~1kHz、出力40Vrms) /
0.5%以下(1kHz~100kHz、出力40Vrms)
スプリアス -30dBc以下(100kHz~1MHz、出力40Vrms)
出力雑音 (3.6+0.08×G)mVrms以下
出力インピーダンス [0.19+0.0155√f(1+j)]Ω
以下(typ.)
[0.19+0.00803√f(1+j)]Ω
以下(typ.)
[0.19+0.00460√f(1+j)]Ω
以下(typ.)
出力端子 BNCコネクタ 端子数2(フロントパネルとリアパネルに1個ずつ)
Lo側は筐体に接続されています。
フロントパネルとリアパネルの端子は並列に接続されています。
出力電圧モニタ
モニタレシオ 出力電圧の1/100(1V/100V)、出力電圧と同相
モニタ確度 ±5.0%(DC~1MHz)(出力電圧とモニタ出力換算電圧との誤差、負荷インピーダンス1MΩ)
出力インピーダンス 50Ω±5%
出力端子 BNCコネクタ(リアパネル)
出力LEDメータ
表示内容 出力電圧および出力電流 11個のLEDによる0%~100%のレベル表示
検波方式 平均値検波(AC+DC) 正弦波は校正
フルスケール(100%) 電圧:75V、電流:1.06A 電圧:75V、電流:2.12A 電圧:75V、電流:4.24A
出力電圧・電流範囲
高速バイポーラ電源 HSAシリーズ出力範囲(エヌエフ回路設計ブロック/NF)
保護機能
出力過負荷 出力電流過大、あるいは内部電力損失過大を検出した場合、出力電流をクリップするとともに、フロントパネルのオーバーロードLEDを点灯。オーバーロード状態が10秒以上続いた場合、出力をオフ。60秒以上継続した場合、ディセープルモード*へ移行。
出力過電圧 異常検出時に出力をオフ。60秒以上続いた場合、ディセープルモード*へ移行
電源部異常 異常検出時にフロントパネルの内部電源エラーLEDを点滅。出力をオフ、ディセープルモード*へ移行。
内部温度異常 異常検出時にフロントパネルのオーバーロードLEDを点灯。温度異常状態が10秒以上続いた場合、出力をオフ。60秒以上継続した場合、ディセープルモード*へ移行
冷却ファン異常 異常検出時に出力をオフ、ディセープルモード*へ移行
* ディセープルモード:電源オフを除き、すべての操作が出来なくなります
外部制御入出力
制御出力 制御項目 出力オン/オフ
制御入力有効/無効 リアパネルのDIPスイッチにて設定
入力レベル Hi:+4.0V以上、Lo:+1.0V以下
非破壊最大入力 +6V/-5V
入力型式 フォトカプラLED入力(150Ω直列)
検出周期 50ms
状態出力 出力形式 オープンコレクタ出力
使用可能電圧・電流 15V以下、10mA以下
状態項目 出力オン/オフ(出力がオンの時にショート)
過負荷(出力が過負荷の時にショート)
更新周期 10ms
端子 D-sub 9-pinマルチコネクタ(リアパネル)
出力オン/オフ制御
出力オン/オフ フロントパネルのスイッチ、または外部制御入力にてコントロール
(外部制御入力有効時のフロントパネルスイッチはオフのみ有効)
電源投入時設定
設定方法 リアパネルのDIPスイッチにて
設定項目(全8項目) 出力(オン/オフ)、利得、外部コントロール(オン/オフ)、
出力極性、入力A(オン/オフ)、入力B(オン/オフ)、
入力インピーダンス(50Ω/10kΩ)、DCバイアス(オン/オフ)
一般事項
電源入力 AC100V~230V±10%(但し250V以下)、過電圧カテゴリⅡ、
50Hz/60Hz ±2%(単相) 、消費電力290VA以下、力率0.95以上
耐電圧* AC1500V
絶縁抵抗* 10MΩ以上(DC500V)
動作抵抗 屋内使用、汚染度2
高度 2000m以下
動作保証 0℃~+40℃/5%RH~85%RH
ただし、絶対湿度は1g/m3~25g/m3、結露はないこと
性能保証 +5℃~+35℃/5%RH~85%RH
ただし、絶対湿度は1g/m3~25g/m3、結露はないこと
保管条件 -10℃~+50℃/5%RH~95%RH
ただし、絶対湿度は1g/m3~29g/m3、結露はないこと
外径寸法(突起含まず) 220(W)×132.5(H)×450(D)mm
質量 約10kg
*電源入力端子一括 対 その他の端子及び筐体一括

注釈
※ 特に指定が無い場合は以下の設定及び条件で少なくとも30分間以上のウォームアップ後にて規定します。
 出力波形:正弦波、出力極性:同相、負荷:50Ω(力率1、公称値)、入力インピーダンス:50Ω、利得設定:×50(CAL)
※ このページに記載されている製品・仕様・価格は改良等のため予告無く変更、あるいは製品製造を中止する事があります。ご購入に際しましては販売価格も含め改めて最新情報を弊社営業よりご確認下さい。

価格(価格帯)

[HSA42011]¥599,000.-、[HSA42012]¥899,000.-、[HSA42014]¥1,199,000.-

製品登録年月

[HSA42011]2020-08、
[HSA42012]2021-01、
[HSA42014]2021-01

販売開始年月

[HSA42011]2020-07、
[HSA42012]2021-03、
[HSA42014]2021-03

産業種別

  • 製薬・医薬品
  • 電子・デバイス
  • 電気機械
  • 電気製品
  • 通信機器
  • 自動車

測定項目または機能

  • 交流電源(AC出力)
  • 直流電源(DC出力)

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