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新発売:高速バイポーラ電源 HSA42011
2020.07.15
新製品情報
高速バイポーラ電源 HSA42011
株式会社エヌエフ回路設計ブロック
発表:2020/07/07
「高速バイポーラ電源」は、高速・広帯域で、電圧・電流を正負自在に出力できる4象限動作*1により、一般的な電源や増幅器では駆動できない試験対象を安定駆動可能な電力増幅器です。
新製品「HSA42011」は、高速応答かつ高スルーレート*2性能により、高速の繰り返し現象や過渡現象も、良好なステップレスポンスで忠実に再現します。一般に容量性負荷や誘導性負荷は、電源の出力インピーダンスの影響で立ち上がりが遅くなりますが、本製品は全帯域にわたって低い出力インピーダンスを保ち、負荷の接続によって起こる電圧降下を最小限に抑えて高速性能を発揮します。さらに、直流から出力できるので正負非対称な信号や直流に交流を重畳する用途にも対応します。
利得は1倍から50倍で、微調整器により1倍から3倍まで可変できるので、最大150倍の設定が可能です。また、保護機能を搭載し、過負荷、過電圧、内部の電源や冷却ファンの異常などを検出します。
小型化・大容量化が進み、車載向けをはじめ需要が拡大する積層セラミックコンデンサ、レアアースレスの磁性材料として高周波用途が広がっている圧粉磁心*3、さらに圧電素子や超音波モータといった容量性負荷・誘導性負荷をさまざまな条件を模擬して駆動し、評価することができます。また、スマートフォンのメモリ等の誤動作を検証するため、直流にノイズ(交流)を重畳した試験が可能です。
さらに、超音波診断装置や「誘電泳動*4」と呼ばれる現象を利用した細胞分離や微生物・ウィルスの検出など、医療・バイオ分野でも広く活用いただけます。

<主な特徴>
- 周波数特性:DC~1MHz
- 出力電圧:150 Vp-p
- 出力電流:3 Ap-p
- スルーレート:475 V/µs
- 4象限出力
- 低出力インピーダンス
- 利得設定:固定 x1、x10、x20、x50、可変 x1~x3
- 出力極性切換、出力DCオフセット調整、出力DCバイアス設定機能搭載
- 保護機能(過負荷、過電圧、内部電源異常、内部温度異常、冷却ファン異常)
<注釈>
*1 4象限動作:電圧、電流のプラス/マイナス領域において、いずれの組み合わせでも動作可能なこと
*2 スルーレート:立ち上がり/立ち下がり時間が0秒の理想方形波を入力したときの出力方形波が、1µsの間に変化する電圧
*3 圧粉磁心:絶縁被覆された磁性粒子をプレス成形して作製する材料
*4 誘電泳動:不均一電場における粒子と周辺媒質の誘電率・電場勾配により、粒子が泳動する現象