取扱製品 Product

絶縁抵抗試験器 BT5525

バッテリーの長期的な品質を担保するには、生産ラインの検査工程で潜在的な不良原因を検出する必要があります。わずかな絶縁不良は、のちに電池寿命の低下や発火事故につながるおそれがあります。絶縁不良の主な原因は、生産過程におけるコンタミ(金属異物の混入)や微小なキズです。

絶縁抵抗試験器 BT5525は「火災事故につながる潜在不良バッテリーの流出を防止したい」「最適なコストで生産性を向上したい」というバッテリー市場要求に応えるために開発された絶縁抵抗試験器です。

メーカー

日置電機/HIOKI

特長

  • バッテリーの生産ラインに最適
  • コンタミによる微小短絡を検出するBDD 機能を搭載
  • 耐ノイズ環境下でも安定した絶縁抵抗試験が可能
  • 導入しやすい適正価格、高速検査、小型形状で高い生産性を実現
  • コンタクトチェック機能(接触不良による誤判定防止)を搭載

火災事故につながる潜在不良バッテリーの流出を防止できる

バッテリー生産ライン向けの新製品「絶縁抵抗試験器BT5525」の機能紹介です。

微小な電圧と電流を監視し、生産工程で混入する異物を検出するBDD機能や、波形を見ることができる便利なPCアプリについて、実際に測定しながら解説します。

コンタミによる微小な絶縁不良を検出(BDD 機能)

BDD 機能(Break Down Detect)とは、電解液充填前のバッテリーセル段階でコンタミ(金属異物の混入)による微小内部短絡を検出できる独自の検査機能です。

生産工程の早い段階で不良品を発見し取り除くことで、出荷後の発熱起因による火災事故や故障などのリスク防止に役立ちます。 これらの潜在的な故障原因を排除することは、劣化しにくく電費性能の良いバッテリー生産にもつながります。

ノイズ環境下でも安定した絶縁抵抗試験が可能

長年開発してきた絶縁抵抗試験器の測定技術と設計ノウハウを投入し、外部ノイズの影響を大幅に低減しています。ばらつきのない安定した絶縁抵抗試験や、コンタミによる内部短絡を検出できる検査品質を実現しています。

誤判定による検査の後戻りを防止

測定端子間の容量(浮遊容量、被試験物の容量)を測定することで、検査対象に正しく接触しているか判断できるコンタクトチェック機能を搭載しています。不良品を良品と誤判定することを防止します。

バッテリー電解液充填前の絶縁抵抗試験に最適

BT5525 はセルに電解液を充填する前に電極間の絶縁を検査する計測器です。試験電圧は最大500 V です。試験条件を満たしている場合、モジュールやパックの電極と外装間の絶縁検査にも使用できます。

充電電流Max. 50 mAでタクト短縮

BT5525は試験対象を最大50 mAで高速充電し、残留電荷を40 mAで高速放電できます。充放電性能を大幅に向上させることで、充電速度が従来比*約25倍に、放電速度が約4倍に高速化しています。大容量化が進むバッテリーの絶縁抵抗試験の時間を短縮できます。

*日置電機 絶縁抵抗試験器ST5520と比較

システムに組み込みやすい小型形状

製品設計に長年のノウハウを投入し、高性能でありながら小型化を実現しています。検査システム装置を構築する際に本器を組み込むことで、装置自体のサイズを小さくできます。コンパクトな検査システム装置を導入いただくことで、限られた生産スペースを有効活用できます。

適切なスペックでコストダウン

絶縁抵抗試験に必要な機能と性能を厳選して特化することで、導入しやすい価格を実現しています。絶縁抵抗試験中の電圧・電流の変動は、専用のPCアプリケーションソフトを使用することで表示できます。

試験電圧は最大500Vまで出力できます。EVに搭載される大型バッテリーセルから小型バッテリーセルの絶縁抵抗試験条件を満たします。

波形解析ができるPCアプリケーションソフト

無料のPCアプリケーションソフトで電圧や電流の変動を確認できます。波形の確認は、試験結果の解析や検査ラインに設定する判定基準値を決めるのに役立ちます。CSV形式でデータを出力できるため、Excelなどのソフトでも波形が確認できます。

仕様

名称 型式 絶縁抵抗試験器 BT5525
メイン機能 絶縁抵抗試験
BDD(Break Down Detect)機能
コンタクトチェック機能
出力仕様 出力電圧 25 V ~ 500 V、設定分解能 1 V
充電電流(電流制限機能) 50 µA~50 mA ※1※2※3、最小設定分解能 10 µA
短絡電流 60 mA以下
放電電流 40 mA以上
  • ※1:電流制限設定が5.1 mA以上のときに約50 µF以上の容量性負荷が接続されていると、出力発生部の制約によりエラーとなり測定できない可能性があります。
  • ※2:電流制限設定が5.1 mA以上のとき、測定開始後200 msで出力電圧が20 V以上にならない場合は測定を強制終了します。強制終了後、1 s後に再度測定できる状態となります。
  • ※3:電流制限値が5.1 mAから50.0 mAまでに設定されている場合、出力電圧が設定電圧に到達後、電流を5 mAに制限します。
測定部仕様 抵抗値表示範囲 0.050 MΩ~9999 MΩ
抵抗測定レンジ 2 MΩ、20 MΩ、200 MΩ、2000 MΩ、AUTO
基本確度 ±1.5% rdg.±2 dgt.
25 V ≦ V < 100 V [0.05 MΩ 〜 2 MΩ]、
100 V ≦ V ≦ 500 V [0.2 MΩ 〜 20 MΩ] 
時間仕様 試験時間 0.050 s~999.999 s、OFF
コンパレータディレイ 0.001 s~999.999 s、AUTO
表示更新速度 1 PLC
サンプリング時間 1 PLC~100 PLC
メモリー機能 パネルセーブ機能 測定条件 15通り保存可能
測定値メモリー機能 測定値を内部メモリに最大999個保存
判定機能 試験モード 連続試験、PASS STOP、FAIL STOP
コンパレータ機能 UPPER_FAIL 測定値> 上限値
PASS 上限値 ≧ 測定値 ≧ 下限値
LOWER_FAIL 測定値< 下限値
機能一覧 BDD(Break Down Detect)機能 微小故障/コンタミの検出機能
コンタクトチェック機能 2端子静電容量測定方式
自動データ出力機能 試験終了後に通信インターフェイスを通じて測定結果を自動出力
コマンドモニター機能 送受信しているコマンドを画面表示
外部I/Oモニター機能 出力信号のON/OFFと入力信号の状態を画面表示
アナログ出力機能 測定値をDC 0~4 Vに変換し出力
インターフェイス USB、LAN、RS-232C、EXT. I/O
電源電圧 AC 100 V ~ 240 V
消費電力

約20 VA ※4

  • ※4:電源条件が電源電圧220 V、電源周波数50 Hz/60 Hz、試験電圧200 V、電流制限値2 mA、負荷(抵抗1 GΩとコンデンサ0.1 µFを並列接続状態)の場合です。
最大定格電力 100 VA
寸法・質量 215W × 80H × 306.5 D mm、2.8 kg
付属品 電源コード ×1、EXT. I/O 用オスコネクター ×1、
EXT. I/O 用コネクターカバー ×1、
EXT. I/O 用インターロック解除ジグ ×1、
スタートアップガイド ×1

注釈
このページに記載されている製品・仕様・価格は改良等のため予告無く変更、あるいは製品製造を中止する事があります。ご購入に際しましては販売価格も含め改めて最新情報を弊社営業よりご確認下さい。

製品登録年月

2022-11

販売開始年月

2022-10

産業種別

  • 航空・宇宙開発
  • 新エネルギー
  • 電気製品
  • 自動車
  • 鉄道・貨物

測定項目または機能

  • 絶縁抵抗試験

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