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精密粒度分布測定装置 Multisizer 4e

Multisizer 4eは、電気的検知帯法（Electrical Sensing Zone）として知られるコールター原理を用いて、一度に個数、体積、面積の粒子径分布を0.2～1,600μm の範囲で測定する、最も高精度かつ多機能な粒子径分布および粒子数カウント装置です。粒子を実測するため、粒子の色、形状、組成、屈折率などの影響を一切受けない、高性能で信頼性の高い製品です。

Multisizer 4eの最高性能は、最高のテクノロジーに支えられています。「コールター原理」は、高分解能かつ高精度で粒子の体積を実測できる唯一のテクノロジーです。加えて、最新のデジタルパルスプロセッサ（DPP： Digital Pulse Processor）を搭載し、他の追従を許さない超高分解能・高精度なデータを提供します。Multisizer 4eは、あらゆる粒子物性の研究開発に対応するだけではなく、製品のQuality Control にもまた、その実力を発揮します。そして、どなたでも簡単にご利用いただけるよう"User Friendly" をコンセプトに開発し、従来品に比べ、飛躍的に操作性が向上しました。

Multisizer 4eは、粒子径分布および粒子数カウントに関するあらゆる研究をサポートし、さまざまなニーズに的確にお応えします。

メーカー

：ベックマン・コールター/BECKMAN COULTER

特長

コールター原理

コールター原理は、電気的検知帯法を利用した原理で、粒子が検知帯（アパチャー感応領域）を通過する際に生じる、2電極間の電気抵抗の変化を測定します。電解質溶液中に懸濁させた粒子が、バキュームによりアパチャー（細孔）の検知帯を通過する際に、粒子体積分の電解液が排除されます。この排除された電解液の体積を電圧パルスとして測定します。このパルスの大きさが粒子体積に、パルスの発生数が粒子数になります。これによって、粒子の正確な体積から粒子径（粒度分布）と粒子数を測定することができます。

Multisizer 4eの構成とコールター原理

Multisizer 4eの利点

より正確に・より高性能に

球相当径の国際標準値のトレーサビリティを確保し、正確なデータを提供
新設計の測定ビーカーで均一に粒子を分散し、より正確に測定
高分解能アパチャー（50～200μm）の利用と、11,000チャンネル相当による超高分解データを提供

より安定して

OQプログラム（オプション）により装置のステイタスを継続してモニタリング
新設計のEZAccess（電解液マネージメントシステム）で常に電解液レベルをチェックし測定状態の安定性を向上
標準操作手順（SOP）機能で、いつでも同じ条件で測定

より使いやすく

新設計のバーコードリーダーがアパチャーおよび測定ビーカーを自動認識し、セットアップが簡単
自動設定で「FDA 21 CFR Part 11」に準拠
メータリングポンプは水系、有機溶媒系に標準対応

Multisizer 4eの特長

DPP（デジタルパルスプロセッサ）搭載

Multisizer4eは、パワーアップした最新のDPP技術を搭載しています。DPPが測定したアナログ信号を高速デジタル化し、高精度分析のためのマルチパラメータ処理（パルスデータの記録）をすることで、超高分解能の粒子径分布に再解析することができます。また、パルスデータをすべて記録するため、再測定は不要。すぐに多数のフォーマットの対応や、データの再解析ができます。

グローバルスタンダード

コールター原理は、全世界で6,000 件以上の文献で掲載されています。またASTM* では9 分野で採用されています。
*American Society of Testing and Materials（米国材料試験協会）
Multisizer は、国際規格ISO 13319に完全準拠します。また、国内規格JIS 6001（精密研磨用微粉の粒子径測定）に推奨されています。

正確で便利なオペレーション

新設計・新搭載の自動調整機能

Multisizer 4eは、新しい自動調整機能を搭載し、最高性能を有する精密粒度分布測定装置に生まれ変わりました。この自動調整機能により、サンプルの測定に必要な条件を自動で設定でき、信頼できる測定結果が得られます。特にEZAccess（電解液マネージメントシステム）により、試薬を節約できるだけでなく、取り扱いもシンプルになりました。

新型ビーカーで正確に測定

測定ビーカーの形状と種類（100mL、200mL、400mL）を新しくしました。この新形状により均一に攪拌する能力が向上し、より正確に測定ができるようになりました。

EZAccessで安定した測定

EZAccess（電解液マネージメントシステム）が、ボトルの重さを常にチェックします。これにより、電解液レベルのステイタスが制御用コンピュータで確認できます。

バーコードリーダーが操作性アップ

バーコードリーダーが、スターラー確度、アパチャーおよび測定ビーカーど自動でセットアップ。操作性が飛躍的に向上しました。

便利なソフトウエア

Multisizer 4eのソフトウエアは、すべてのユーザの使いやすさを追求して設計されています。標準操作手順書（SOP）の搭載により、アプリケーション、オペレータ、装置および設置場所などを問わず、いつでも同じ条件で測定でき、安定したデータが得られます。

球相当径のトレーサビリティを確保

Multisizer 4eは、国際的に定められた標準値のトレーサビリティ*1を確保しています。そのため球相当径（粒子と同体積の球の直径）の測定時に、非常に正確な値を提供します。

*1 ベックマン・コールターは、トレーサビリティを「測定機がより高位の標準によって次々と校正され、国際基準値につながる毛糸が確立されていること」と定義しています

FDA 21 CFR Part 11準拠

ベックマン・コールターは厳しい規制が求められる分野でのニーズを十分に理解し、FDA 21 CFR Part 11に対応する製品を展開しています。Multisizer 4eのソフトウエアで、「21 CFR Part 11」のオプション機能を選択すると、自動的にこの規制に準拠するために必要なレベルのセキュリティを構成するため、安心してお使いいただけます。

電子署名の構成と管理
ID、パスワードの管理
ユーザ権限の管理
履歴の管理（Audit Trail）

データの信頼性を担保する稼働性能適格性確認プログラム – Operational Qualiffiication（OQ）Program –

ベックマン・コールターは、OQプログラムを通じて製造工程における品質管理基準への準拠をお手伝いいたします。OQプログラムでは米国標準技術研究所（NIST）で定められた基準に従い、校正を行った標準測定器を使用し、稼働性能適格性確認を行います。また、測定器のトレーサビリティのある校正証明書を提供します。お客様がご自身で標準測定器を購入したり、測定器を毎年校正したりする必要がありません。

標準測定器のトレーサビリティ
ガイドラインに対応したドキュメント作成
稼働性能適格性確認に関するすべてのドキュメントを、冊子にまとめます。
労力の軽減
規則当局が要求している稼働性能適格性確認を代行します。

高い技術を持ったフィールドエンジニア
専門のトレーニングを継続して受けているエンジニアが確認プログラムを行います。
世界共通のプロトコールにて実施
世界中のベックマン・コールターで使用しているスタンダードプログラムで実施します。

あらゆるサンプルに対応する多彩なアプリケーション

コールター原理は、生物学的な細胞・細菌から材料の微粒子まで、さまざまな分野で、粒子径と粒子カウントの測定法として使用されており、全世界で6,000 件以上の文献に掲載された実績があります。Multisizer 4eは、コールター原理を用いてあらゆるサンプルの測定に対応します。

※ 以下は一例です

マイクロ・ナノバブルの濃度と分布

近年、ナノバブルはその特異な性質から環境・医療等への応用が計られています。しかし、バブルが小さくなると、バブル液が透明となり、散乱光を得られなくなるため、レーザを利用する測定装置では正確に測定することが困難になります。コールター原理を用いたMultisizer 4e なら、サイズと濃度を正確に測定できます。

磁性ビーズの粒子径と濃度

磁性ビーズを使ってDNA / RNAを分離する手法にもコールター原理が用いられています。分離の効率と再現性は、磁性ビーズのサイズと関連しており、Multisizer 4e なら粒子径と濃度を正確に測定できます。

	平均サイズ（μm）	濃度（個数/mL）
SPRI 磁性ビーズ	0.854	1.617×109

院内感染を起こすブドウ球菌のサイズ

バイコマイシン耐性黄色ブドウ球菌（VRSA）は、細胞壁がわずかに厚くなっているため薬が効かず、院内感染が起こりやすいとされています。Multisizer 4e なら、このようなブドウ球菌の細胞壁のわずかな違いを大きさの差として検出し、簡単にかつ正確に分析できます。

	平均サイズ（μm）	濃度（個数/mL）
MRSAブドウ球菌	1.022	2.96×108
VRSAブドウ球菌	1.088	2.83×108

CMPスラリーの粗大粒子カウント

半導体の平坦化工程で研磨剤として使われているCMP スラリーの1 次粒子は約0.1μmですが、1μm以上の粗大・凝集粒子も存在しています。この1μm以上の粗大・凝集粒子は、半導体の平坦化工程の中でマイクロスクラッチを起こす原因の1 つであるため、微量な粗大・凝集粒子を高精度でカウントする必要があります。 Multisizer 4eなら、1μm 以上の粗大・凝集粒子を簡単かつ高精度に定量的に検査します。

その他実績

業種

サンプル

半導体
食品
医療 / 医薬品
自動車
大学研究室
漁業
環境関連業

印刷
製紙
化粧品
建築
写真
バイオ関連

トナー
セメント
研磨剤
細胞
血球
最近
水
微生物
磁性ビーズ

結晶
乳剤
顔料
砂
ワクチン
粉
蛍光体
マイクロ・ナノバブル
ＣＭＰスラリー

仕様

名称

精密粒度分布測定装置 Multisizer 4e

測定範囲

［直径］ 0.2 ～ 1,600μm
［体積］ 0.004 ～ 2.145×109fL（μm3）

アパチャー
（公称直径[μm]）

アパチァー (公称直径μm)	測定範囲（μm）
アパチァー (公称直径μm)	トータル	標準	拡張
10*1	0.2 – 8	0.2 – 6	6 – 8
20*1	0.4 – 16	0.4 – 12	12 – 16
30*1	0.6 – 24	0.6 – 18	18 – 24
50*2	1 – 40	1 – 30	30 – 40
70*2	1.4 – 56	1.4 – 42	42 – 56
100*2	2 – 80	2 – 60	60 – 80
140*2	112	2.8 – 84	84 – 112
200*2	4 – 160	4 – 120	120 – 160
280	5.6 – 224	5.6 – 168	168 – 224
400	8 – 320	8 – 240	240 – 320
560	11.2 – 448	11.2 – 336	336 – 448
800*3	16 – 640	16 – 480	480 – 640
1,000*3	20 – 800	20 – 600	600 – 800
2,000*3	40 – 1,600	40 – 1,200	1,200 – 1,600
1：測定範囲は装置の清浄性と付近の電磁波の影響により異なります。電圧変動、電気ノイズのない電源が必要です。 2：高分解能のアパチァーで使用可能です *3：測定範囲はサンプルの密度により異なります。

アパチャー径

10 ～ 2,000μm（公称直径）

アパチャーのダイナミックレンジ

［直径］標準時 30:1 トータル 40:1
［体積］標準時 27,000:1 トータル 64,000:1

分解能

4 ～ 400チャンネル（任意設定可能）、最大11,000チャンネル（超高分解能使用時）

電解質溶液

水溶液または有機溶媒の使用可
（*ガラス、フッ素樹脂、フッ素エラストマー、ステンレスが耐えられる液）

パルスデータ

1回の測定で最大525,000パルス

粒子径分布データ

粒子径に対する個数、退斥、表面積の絶対数、パーセント（％）、粒子の濃度（/mL）

直線性

［直径］±1％以内［体積］±3％以内

アパチャー電流の範囲

30～6,000μA、0.2μAで設定可能

アパチャー電流の誤差

設定値±0.4％以内

時間設定モード

0.1 ～ 999秒、10ミリ秒単位で設定可能、通常は10 ～ 90秒の範囲設定

定量分析モード

50 ～ 2.00μLの範囲で連続的に設定可能

全カウントモード

50 ～ 500,000カウント

最頻カウントモード

10 ～ 100,000カウント

Windows®10

寸法・重量W

640(W)×610(D)×510(H)mm・開梱時重量：45kg

電源

AC単相100V ～ 120V±10%、47Hz ～ 63Hz、210VA(W)未満、3種以上のアース必要

温度 / 湿度

5 ～ 40℃ / 10 ～ 80%で結露がないこと

高度

2,000ｍまで

オプション

OQプログラム（稼動性能適格性確認プログラム）

注釈
このページに記載されている製品・仕様・価格は改良等のため予告無く変更、あるいは製品製造を中止する事があります。ご購入に際しましては販売価格も含め改めて最新情報を弊社営業よりご確認下さい。

製品登録年月

2022-09

産業種別

航空・宇宙開発
新エネルギー
食品
飲料
繊維
紙・パルプ
化学製品
石油製品
プラ製品
製薬・医薬品
金属製品
電子・デバイス
自動車

測定項目または機能

粒度分布

ダウンロード(カタログ・資料)

カタログ：精密粒度分布測定装置 Multisizer 4e ベックマン・コールター

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