2025年のハイスピードカメラ最新技術をノビテックが解説
撮るだけでなく、計測・見える化で研究開発を推進、説得力のあるデータが取れます
はじめに
ハイスピードカメラは撮影するだけではなく、その後のデータ化・見える化が重要となります。
今回は、ノビテックが取り扱う、Vision Research社製ハイスピードカメラ「Phantom」を用いた最新動向を3つご紹介します。
01 HySEでも採用!燃焼の可視化 UVハイスピードカメラ
燃焼試験においては、OHラジカルの発光を確認することで、火炎の構造を可視化することができます。
ご紹介する事例は、HySE(水素小型モビリティ・エンジン研究組合)で計測した水素燃焼の計測です。
本研究は、人とくるまのテクノロジー展 2025にて展示され、多くの関心を呼びました。
従来のハイスピードカメラでは紫外線を撮影することができませんでしたが、
310nm(紫外線)付近の波長で特に発光している様子が鮮明に観察できます。
ハイスピードカメラPhantom UVシリーズでは、業界初となるUV波長に感度を持つハイスピードカメラとして、
最大1,280x800ピクセル72,000fpsの高速撮影が可能です。
これにより、従来はカメラ単体では撮影できなかったUV波長を撮影することができるようになりました。
【動画:水素燃焼におけるUVハイスピードカメラとI.I.の撮影比較 | ハイスピードカメラPhantom 】
研究機関で燃焼実験をされているユーザー様の声

取り回しが良くなっており、実験効率も上がっています。
02 画像からひずみを計測 ひずみ解析ソフトウェア Mercury × ハイスピードカメラPhantom
これまで、ひずみ計測といえばひずみゲージを用いた点計測が広く一般的に使用されてきました。
ですが、実際の現場では以下のような課題が潜在しています。
・点計測では変形の全体像が分からない
・広範囲の変形や局所集中変形が特定できない
・多軸的にひずみ測定ができない
・複数個所の計測では接着、配線に非常に時間が掛かる
そこで、ノビテックでは画像からひずみを計測、可視化できるDIC(デジタル画像相関法)という技術を提案します。
特に、ハイスピードカメラで撮影した映像から解析することで、落下・衝撃・衝突・破壊など瞬間的な変形ひずみの計測を非接触で実現しました。
【動画:スマートフォン落下時の微細な変形を可視化する | ハイスピードカメラPhantom| ひずみ解析ソフトウェアMercuryRT】
製品の品質管理を担当されているユーザー様の声

落下試験では、製品にひずみゲージを貼ることが難しかったのですが、MercuryとPhantomを使用することで、落下時の瞬間的な変形を捉えることができ、精度の高い解析ができるようになりました。
03 溶接の可視化 カラーハイスピードカメラ × 高輝度LED照明
これまで溶接の可視化といえばモノクロ映像で、金属が溶融しているのか、凝固しているのか分かりづらくありませんでしたか?
カラーカメラなら違いがはっきり分かります。ハイスピードカメラPhantomVEOシリーズのカラーモデルと、超高輝度LED照明を使用して、自動車用モーター巻線に使われる銅の平角線溶接を可視化した事例です。モノクロ映像ではわかりづらかった溶融金属の状態や入熱によって銅の表面が変色する様子がわかりました。カラーカメラを採用する事で、現象の可視化以外に、2色法を使った温度計測にもご利用頂けます。
【動画:[量産工程]銅端子の平角線(ヘアピン)レーザー溶接の撮影・可視化|ハイスピードカメラでスロー撮影】
パーツメーカーで生産技術を担当されているユーザー様の声

この記事に関する参考資料
カタログ :ハイスピードカメラPhantomラインナップ 2025 Vol.02(TRS-2505-0.5k)
カタログ :業界初! UVハイスピードカメラPhantomUV(TRS-2501-0.5k)
カタログ :DIC ひずみ解析ソフトウェアMercury(TRS-2312-0.5K)
カタログ :溶融金属の『視える化』『画像処理』による溶接条件出しツール(TRS-2109-0.5K)
〇 ENDO取り扱いハイスピードカメラ 一覧は コチラをご覧ください。
出典元:株式会社ノビテック